コツソの部屋

骨粗鬆症マネージャーとして病院勤務しております。骨折を防ぐための生活習慣や、治療薬、サプリメント、食べ物などについて情報発信していきたいと思います。宜しくお願いします。

カルシウム摂取のコツⅢ~ビタミンKを多く含む食品と上手にとる3つの工夫~

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ビタミンKを多く含む食品

ビタミンDはカルシウムの吸収を促進するのに対し、

ビタミンKはカルシウムを骨に取り込み、骨を強くします。

 

ビルの建築に例えると、

ビタミンDはカルシウム(鉄骨・コンクリートなどの材料)のバイヤー

ビタミンKはビルを建てる職人や建設会社の職員といったところでしょうか。

材料の買い付け、その加工、どちらが欠けても骨は作れません。

 

ビタミンDについては、こちらもご参照ください。

 

katsuzyu.hatenablog.com

  

katsuzyu.hatenablog.com

 

 

消費者庁の定める保健機能食品(栄養機能食品)の表示対象となる栄養素であり、

サプリメントであれば、

「正常な血液凝固能を維持する栄養素です。」

という機能表示が認められています。

骨粗鬆症についての記載はありません・・・

 

ビタミンK含有量と野菜類

 

 200μg 小松菜1/4束/95g

 162μg ほうれん草1/4束/60g

 96μg ブロッコリー1/4束/60g

 54μg にら1/4束/30g

 60μg モロヘイヤ1/4束/60g

 39μg キャベツ1枚/50g

 

ビタミンK含有量とその他

 

 300μg 納豆1パック/50g

 35μg 鶏もも肉(皮付)1/2枚/120g)

 33μg 干しワカメ5g

 

摂取の目安量は1日150μg(成人男女)です。

葉物野菜を適度に食べていれば満たされそうですね。

あとは何といっても、「納豆」のビタミンK含有量は最強です。

 

ビタミンKを上手にとる3つの工夫

 

1、納豆を食す

 

摂取するとビタミンKの1日目安量を満たすどころか、倍量に値します。

カルシウムや大豆ゆえのたんぱく質も豊富です。

加熱により粘り気は軽減されるので、

苦手な方は、みそ汁に入れたり炒めたり工夫してもよいでしょう。

納豆はこういった骨折頻度にもかかわっているかもしれません。

katsuzyu.hatenablog.com

 

 

2、野菜類は油を使って調理する

 

ビタミンKは色の濃い葉野菜に多く含まれます。

脂溶性ビタミンであり、水に溶けにくく油に溶けます。

油を使った料理にすることで効率よく摂取できます。

 

3、カルシウム、ビタミンDとセットで

 

繰り返しになりますが、

材料を仕入れる目利きのバイヤーがいても、材料がなければ骨は作れません。

優秀な職人がいても、材料を仕入れるバイヤーがいなければ骨は作れません。

そして材料があっても、優秀な職人がいなければ骨は作れません。

ビタミンDが腸管からカルシウムの吸収を促し、

ビタミンKは吸収された血中のカルシウムを骨に取り込みます。

 

カルシウムとビタミンKを多く含む食品には小松菜・納豆・モロヘイヤがあります。

 このあたりを意識すれば一石二鳥ですね。

 

4、医薬品との相互作用に注意

 

ビタミンKが不足すると骨がもろくなったり、出血しやすくなります。

ビタミンKは腸内細菌から作られるので、日常的に不足することはありません。

また、日常的にとりすぎの心配もありません。

しかし、抗生物質の長期投与などにより、腸内細菌が影響を受けると、

ビタミンK不足になることがあります。

一方、血栓予防のためにワルファリンを服用している場合も注意が必要です。

薬の効果が弱まるので、一般に納豆は控えます。

濃縮した緑黄色野菜やそれを加工したサプリメントも同様です。

 

参考資料

骨粗しょう症の予防と治療ガイドライン2015年版/日本骨粗鬆症学会

日本人の食品摂取基準2015年版/厚生労働省

保健指導シート2-②/公益財団法人骨粗鬆症財団

 

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