コツソの部屋

骨粗鬆症マネージャーとして病院勤務しております。骨折を防ぐための生活習慣や、治療薬、サプリメント、食べ物などについて情報発信していきたいと思います。宜しくお願いします。

感染症ファイル8【ノロウイルス】冬のウイルス性胃腸炎、激しい嘔吐と下痢といえば

ノロウイルス(NV norovirus)



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感染源は、カキのような2枚貝、

吐瀉物が舞い上がって感染する糞便空気感染

爆発的な感染力で、老人施設を壊滅させる恐怖のウイルス

・・・

といったところでしょうか。

なんかネーミングも「呪いウイルス」みたいな発音で怖いです。

毎年必ずと言っていいほど集団感染がニュースになりますね。

身近であり、かつ悪名高いウイルスです。



前に働いていた病院で、

看護師が一気に10人以上休んだことがありました。

理由を聞くと、原因はノロウイルス

飲み会で生ガキ食ったらしい

のちに、

無理して出勤して感染広げちゃダメですもんね

と休み明けの看護師に聞くと、

嘔吐も下痢も強烈よ、無理しても出勤なんてできる状態じゃないわ。

と症状の壮絶さを物語っておられました。



ちなみに、ロタウイルスについてはワクチンがあります。

長男の頃は、まだロタウイルスのワクチンが定期接種になる前で、

ワクチン打たずに乗り切るぞってことで、

意気揚々と打たない選択をしたのですが、



コレが選択の誤りで、地獄を見ました。



地獄絵図はまた近々載せます。



ただ長男ではノロの経験はなく、未知の領域でした。

娘が1歳半ごろ、少し下痢しました。

便が白く、独特のにおいがあり、もしや・・・と思い受診しました。



娘はロタウイルスの予防接種を受けていますので、

罹っても長男のように死にかけになるまではいかないだろう

なーんて思いながら、受診。

検査はいらないと思います、ビオフェルミン飲んでおきましょうねぇ♪

と言われましたが、話し慣れた先生でもあり、検査を相談

ロタチェックできますか?と聞いたんですが、

ノロしましょうねぇ♪

と言われました。



なんで?



ロタではないノロの根拠があったのか、それとも医者のプライドか・・・



するとノロ陽性!!



おお、さすが小児科医、ビンゴですな

なーんて思ってると、



あら、びっくり、出ちゃいましたねぇー



と先生も驚愕されていました。





根拠があってノロの検査したんちゃうんかーい?





ノロもロタも不顕性感染があるので、

症状の強弱の弱の部分が極端に現れた一例ですね。



だいたい、おむつ替えをすると父子感染します。



私の経験では100%感染します。



今回のノロも恐らく父子感染してると思いますが、

症状は軽度でした。そういう株だったのでしょうか・・・


 

ということで感染症ファイルです

 

疫学データ



原因・・・ノロウイルス

感染経路・・・二枚貝からの経口感染、糞口(糞便空気)感染

感染力・・・少量のウイルスでも感染が成立、無症状の場合もある

流行・・・秋口~春先(12月~3月にピーク)

好発年齢・・・なし



症状



・ 潜伏期 : 1~2日

・ 主体は嘔吐、下痢などの急性胃腸炎症状(たいていは数日で自然に回復)

・ 腹痛、頭痛、発熱、悪寒、筋痛、咽頭痛、倦怠感などを伴うこともある



治療法



・ 検査法 : 糞便中のウイルス抗原を検査

・ 嘔吐、下痢がひどいときには、点滴が必要

・ 脱水予防に「オーエスワン」を飲ませてあげましょう

・ 原則、下痢止めは使わず、整腸剤を使います



生活上の注意



・ ウイルスは、症状が消失しても、3~7日ほど便中に排出される

・ 嘔吐、下痢による脱水や窒息に注意

・ 消毒には次亜塩素酸ナトリウムか、85度以上で1分以上の加熱が必要

・ 逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)、消毒用エタノールでは消毒できない

・ 便からウイルスが舞い上がるので、オムツの取り扱いに注意する

・ 手洗い、加熱、消毒が重要、特に施設内での集団感染に注意が必要



ポイント



ノロウイルスといえばカキに注意は基本です。

ただ最近では、原因不明、カキ以外の食材、感染性胃腸炎による感染が圧倒的です。

吐物、便などから空気中にウイルスが舞い上がり、感染が拡大します。

糞便空気感染の代表格で、度々老人施設などで集団感染を起こします。

『食中毒』よりも、感染する『感染性胃腸炎』として注目されています。



参考文献は省略しますが、サイトとしてはいつもこちらを参考にしています。

もっと詳しく知りたいという方は確認してください。

NIID(国立感染症研究所)です